『とはずがたり』は後深草院の後宮に入った二条というひとりの女房が、三六年間に亘る自らの半生をつづった日記・紀行文学である。伝本は宮内庁書陵部蔵の桂宮本(江戸時代初期の写本)のみが現存。昭和一五(一九四〇)年に世に初めて紹介されるまで、ごくわずかな人々にしか知られていなかった作品…